大阪府箕面市桜井 山本動物病院 日本獣医がん学会腫瘍科認定医

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樹状細胞ワクチン療法とは、がん細胞を狙って攻撃する治療法です。

cell樹状細胞ワクチン療法は、樹状細胞の力を利用して、がん細胞のみを攻撃する免疫細胞(CTL)を増殖させる治療法です。 樹状細胞はがんの特徴となる目印(がん抗原)を取り込み、細胞の表面に出す(抗原提示)ことで、がん抗原の情報を免疫細胞(Tリンパ球など)に伝える役割を担っています。Tリンパ球はウイルスに感染した細胞や突然変異した異常細胞などを攻撃する細胞ですが、樹状細胞からがん抗原の情報を受け取るとCTLになり、がん細胞を認識して攻撃できるようになります。樹状細胞ワクチン療法はこの仕組みを用いて、体外で樹状細胞にがん抗原を取り込ませてから体内に戻し、増殖したCTLによってがん細胞を狙って攻撃する治療法です。

(1) 自己樹状細胞腫瘍内局注療法(DCI)

 この治療法は自己癌が保存されていない場合にも行なうことができる、樹状細胞療法として開発されました。
 体の中の自己癌に樹状細胞を直接注入すると、樹状細胞は自己癌の一部を食べて消化し、その特徴を表面に提示してリンパ節に移動していきます。リンパ節という訓練所で普通のリンパ球(生徒たち)は教育をうけ、兵士に育ち癌を攻撃します。超音波検査で癌塊を捕らえながら、その中に針を使って樹状細胞を注射します。
 この治療はアメリカや日本で臨床試験が始まったばかりで正確な効果はわかっていません。しかし獣医再生医療研究会では様々ながん症例に使用し、大きな副作用がなく安全に受けていただけることをすでに報告しています。また有効例が認められており、日常生活を犠牲にすることなく、受けることが可能な樹状細胞療法として期待されます。

(2) 自己癌抽出抗原提示樹状細胞  ワクチン療法(TP-DC)

 樹状細胞の使う教科書として自己癌を使う療法です。手術で切除された癌を調整して、体外で樹状細胞と混ぜ合わせて皮下注射(ワクチン)する療法です。
 予防接種と同じ原理で、ワクチンによって、体内に自らの力で癌を取り除こうとする力、あるいは癌の成長を抑えようとする力を導くことを目的としています。自己癌と樹状細胞を混ぜ合わせると、樹状細胞は自己癌を食べて消化し、その癌の特徴を表面に提示します。この樹状細胞をワクチンとして皮下注射すると、教官となってリンパ球(生徒たち)を教育します。癌の特徴を教え込まれたリンパ球は兵士となって体の中を巡回し癌を攻撃していきます。さらにがんを攻撃するリンパ球も体外で培養・増殖させがんワクチンと同時接種することでさらなる効果が期待できます。
 口腔内悪性黒色腫を対象にした研究では、ある一定の効果が確認され、ワクチン療法がすすめられていますが、正確な効果はまだ不明です。

 当院では、上記のがんワクチン、また免疫力を増強させがん終末期での状態悪化を軽減させるリンパ球療法を行っています。
 また、幹細胞を用いた神経損傷患者への神経再生医療も行っています。詳しくは獣医師にお尋ねください。

山本動物病院 担当獣医師 
山本 充哉(日本獣医がん学会腫瘍科認定医Ⅰ種・Ⅱ種)
大谷 英之 (幹細胞・免疫細胞培養師)

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