大阪府箕面市桜井 山本動物病院 日本獣医がん学会腫瘍科認定医

title

肥満細胞腫

 肥満細胞腫はイヌの皮膚にしばしば発生する悪性腫瘍であり、発生年齢のピークは7~9歳と報告されています。皮膚以外では、消化管や脾臓などに発生する場もあります。また肥満細胞腫は転移や再発率が非常に高く、マージンが十分確保された場合でも高率に再発・転移が認められます。まれに多発性に発生することも報告されています。

肥満細胞腫

 イヌの肥満細胞腫は、腫瘍細胞の顆粒含量、細胞異型性、浸潤性などにより、グレードⅠ(高分化型;低悪性)からグレードⅢ(低分化型;高悪性)の3段階に分類されます。グレードと1500日の生存率は、グレードⅠ~Ⅲでそれぞれ、82%、44%、6%と報告されていますが、後躯や爪床、生殖器に発生した肥満細胞腫の予後は一般的に悪いケースが多いことが知られています。

 治療は外科的切除が第一選択となります。手術は完全切除を心がけることが重要です。そのためには、十分なマージンを確保することが必要であり、腫瘍から1cmのマージンでは25%が不完全切除となり、2cmで100%の完全切除になると言われています。最低でも2cmのマージン確保(できれば3cm)と深部方向では筋膜1枚はがすのが勧められます。

誹謗細胞腫

 大きな腫瘍であったり、多発性であった場合には、術後に化学療法(抗がん剤治療)が必要になることがありますので、病理組織検査と同時に、c-kit遺伝子検査を行うとよいでしょう。

 c-kit遺伝子検査が陽性であれば、分子標的薬であるグリベックが肥満細胞腫の犬に対してほぼ100%効果があると言われています。

uebutton